【試乗記】 60セリカXX 2000GT(1985年式); “スペシャルティカー”から“GT”への進化過程(Vintage Club by KINTO)

2024-01-10

KINTOの“旧車”プロジェクト『Vintage Club』でレストアされたクルマ。 今から約40年前につくられた“旧車”・1985年式の60セリカXXは、4気筒セリカのフロントボディを延長、直列6気筒エンジンを搭載し“GT”としての性能・キャラクターを狙ったクルマですが、見て・触って・乗って、その狙いが強く伝わってきました。

著者:ハマやん
クルマ大好き、元トヨタの企画マン。公私合わせて1,800台以上のクルマに試乗。

①『ロングノーズで格好良い!』;外観スタイル

保管場所のガレージから外に出したセリカXX。第一印象は『ロングノーズで格好良いクルマ!』でした。6気筒化で延長されたフロントボディに不自然さはなく、“6気筒搭載でGT的キャラクターを持つクルマ”というメッセージを発している外観スタイルで、40年経つ今でも通用する格好良さではないか?と思いました。

②内外装・機関など、しっかりレストアされたクルマ

Vintage ClubのセリカXXは1985年式で、ほぼ40年も前に造られたクルマです。そのため、かなり気を遣って乗り始めたのですが、そんな気遣いは不要と思えるくらい“しっかりレストアされたクルマ”でした。

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③6気筒24バルブエンジン“1G-GE”+5MTの魅力

“しっかりレストアされたクルマ”の安心感があったので、現代の交通の流れに乗って、また時には引っ張って走行してみました。

エンジン回転数が2,000~3,000~4,000と上昇するにつれ、気持ちよいエキゾーストノートと共に加速・・・(2,000回転台のトルクが薄いためもあって正直言って今の基準では速いとは言い難いが)気持ちよく走行することができ、ツインカム24バルブの1G-GEエンジン+5MTの存在が、この60セリカXXの魅力の大きな部分を占めているように感じました。

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④走り味は、“GT的キャラクターを追及したクルマ”らしいもの

街中だけでなく、都市高速・郊外路・ワインディング路・・・と、色々な路を走行してみましたが、高速道路の巡航・加減速で最も精彩を放った感じがしました。やはり“GT的キャラクター”のクルマゆえなのでしょう。

長いノーズを持つ割には曲がりも軽快で良いのですが、全体の走り味としては、どちらかというと、高速道路等の直線を巡行する方が似合っているような感じで、運転席まわりの計器盤や操作系等のデザインも含めて、当時のGTカーに乗っている雰囲気に包まれた運転体験となりました。

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⑤乗心地は(古さを感じさせる点もあるが)基本的には良好

乗心地は、基本的には良好と思いました。(クルマの古さゆえに?)荒れた路面や段差通過時に足回りやボディから音・振動が出る事もありましたが、走行条件全般を通じて、GTカーとしてまずまずの乗心地なのではないか?と感じました。)

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▽全体にスペシャルティカーからGTへの進化過程を感じさせるクルマ。 この後の70・80・90スープラへの継続性・連続性という意味で意義深い商品

▽トヨタのスポーツ車・歴史の中で、スペシャルティからGT・スポーツへの進化過程初期を今に伝える重要な車種

※〔歴代セリカXX・スープラの主要諸元比較〕
(mm) 全長 全幅 全高 ホイールベース
40セリカXX 4600 1650 1310 2630
60セリカXX 4600 1690 1315 2615
70スープラ 4620 1745 1300 2595
80スープラ 4520 1810 1275 2550
90スープラ 4380 1865 1295 2470
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〔車両〕1985年式・走行59,800km?
〔参考:主要諸元〕
全長x全幅x全高・WB・車重;4600mmx1690mmx1315mm・2615mm・1270kg
1G-GEエンジン;1988CC,150PS/6200rpm,18.6kg・m/5600rpm(JISグロス値)
サスペンション前/後;ストラット/セミトレーリングアーム,タイヤ;195/60R15
〔レストア〕トヨタ自動車株式会社,トヨタ紡織株式会社,新明工業株式会社
〔試乗〕2023年8月4&8日、名古屋~豊田周辺、約100km走行

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