【試乗記】MR2スーパーチャージャー/AW11(Vintage Club by KINTO)
2023-12-27
KINTOの旧車プロジェクト『Vintage Club』の一環としてレストアされた“旧車”試乗。今回は1988年式の初代MR2です。マイナーチェンジ後のスーパーチャージャー付モデルで、ノーマルより嵩上げされたエンジンパワー・トルクによって、より迫力ある走りが体感できるとともに、コンパクトミッドシップスポーツ車として手の内感あふれる走行が印象的でした。
著者:ハマやん
クルマ大好き、元トヨタの企画マン。公私合わせて1,800台以上のクルマに試乗。
〔車両概要〕トヨタMR2スーパーチャージャー(AW11)
〔参考:主要諸元〕
全長x全幅x全高・WB・車重;3950mmx1665mmx1250mm・2320mm・1180kg
4A-GZEエンジン;1587cc,145PS/6400rpm,19.0kg・m/4400rpm(JISグロス値)
トランスミッション;5MT サスペンション前/後;ストラット/ストラット
〔レストア〕トヨタ自動車株式会社・新明工業株式会社
①コンパクト!ミッドシップゆえのプロポーション
駐車場に停められた初代MR2の第一印象は“コンパクト”。全長3950mm・全幅1665mm・全高1250mmで、幅が少し広めながら低く・小さくまとまっていました。外観はフロントノーズが低くリアにデッキのあるミッドシップらしいもので、小さいながらもスポーツカーとしての雰囲気を持っていると思いました。
また、外観・内装も大変綺麗な状態にレストアされており、丁寧な作業によって作り上げられたクルマという印象がありました。
②タイトなコックピット。必要充分な装備類
ミッドシップレイアウトの欠点の一つは室内空間がタイトになりがちなこと。今回は2人のチームで試乗したのですが、手提げバッグを置くスペースはなく、床置き等で工夫して乗りました。
88年式のクルマなので、70年代の旧車とは仕様装備がかなり異なっており、エアコン・電動ミラー等、今のクルマとしても必要充分な装備が装着されていると思いました。
③しっかりした走り味。剛性感も旧車としては高い感じ
とりあえず豊田市内を試乗。走り味はしっかりしていて、路面の荒れたところ等での剛性感も旧車としては高いものがあると思いました。乗り心地や走り味に関しては、“旧車”をさほど意識しなくてもよい感じがしました。
このあたりも、足回りのレストアやモディファイでかなり念入りに仕上げられている効果が出ているのではないか?と思いました。
④スーパーチャージャー付で気持ち良い加速感。後ろから押し出す感じ
1.6Lツインカム4A-Gエンジンにスーパーチャージャーを組合わせたパワートレーン。街中では2速で大変気持ちよい加速感が得られ、またミッドシップらしい“後ろから押し出す加速”が実感できました。
⑤ワインディング路で気持ち良い走り
小型ミッドシップスポーツとして当然でしょうが、ワインディング路を気持ちよく走ることができました。適度なパワー・良好な走り味・前方視界の良さ・ノーズの軽さ、等によって、日常速度域で気軽に気持ち良い走りができるクルマと思いました。
⑥シフトゲートの分かりにくさを除けば運転しやすいクルマ
街中のコミューターとしても扱いやすいクルマだと思いました。 この日の試乗では、豊田市内の街路・ワインディング路を十数km走行しましたが、シフトゲート(の左右方向)分りにくさを除けば、コンパクトな車体・良好な前方視界等、基本的には運転しやすいクルマだと思いました。
▽軽量コンパクトでミッドシップスポーツの特別さを味わう
“ミッドシップレイアウト”を持つスポーツカーは、どちらかというとスーパーカーに多く、軽量コンパクトな商品領域ではなかなか存在しません。 そうした商品に実際に乗れるというのも旧車に乗る意義の一つではないか?と思いました。
▽80年代のクルマは今使ってもさほど違和感はない
今回試乗したMR2は88年式ということで80年代後半製造ですが(MR2自体は84年登場)、旧車といってもこの年代だと、色々な仕様装備が現代のものに近くなっており、違和感を持つことが少ないと改めて感じました。
クルマは色々な面で進化し続けており、そういう意味では、88年式でも30年以上経過した旧車ですが、80年代にかけて仕様装備面での進化が大きかったといえるのではないでしょうか?